本文へスキップ
English

宮司講話集

「日本の根幹は敬神尊皇の精神」
 平成18年10月19日 船岡大祭にて


 本日は皆様船岡大祭にご参列賜りまことに有難うございます。船岡祭は織田信長公が天下統一の為始めて上洛された永禄11年10月19日にちなむお祭で、毎年この日に西陣各学区の皆様により執り行われて参りました。本日は各地からもゆかりの方々のご参列を得て執り行う事が出来、まことに有難うございます。

 さて織田信長公といえば戦いの英雄といわれたり、自由主義経済の先駆者と考えられたり、海外文化を取り入れた進歩的英雄とされたり、様々な面をもった日本の歴史上特別のヒーローでありますが、信長公の一番の本質は戦国の世を統一するに当り敬神尊皇の理念を取り入れた事にあります。
 私たち平成のおだやかな世に生きている人間にとって、尊皇といえば天皇を尊敬する、皇室が好きだ位のことでほとんど問題にもなりません。従って信長公が皇室を大切にしたのは天下統一の為皇室を利用しようとしたのだという説明にはすぐ納得する訳ですが、本当の尊皇はそんな表面的なことではありません。
 日本の世の中が乱れきってどうしようもなくなった時、例えば蒙古が襲来し鎌倉の北条政権が倒れた折とか、戦国時代日本の社会全体が下剋上の風潮で乱れきった時とか、明治維新の直前日本が欧米の植民地になる惧れがあった時とか、こういう時に始めてある少数の人間が心から尊皇の精神がこの日本の根幹である事を理解するといったものであると存じます。信長公はこういった敬神尊皇の本質を理解した数少ない一人であったと存じます。

 この後、長篠の合戦にちなんで火縄銃の奉納演武が行われますが、近隣の小学生が歴史の勉強の為お祭りに参列されます。今、楽只小学校より23名が、本日1時半には西陣中央小学校92名、紫明小学校35名、紫野小学校105名、2時から待鳳小学校275名、柏野小学校25名、乾隆小学校42名、計597名の子供達が船岡祭に参列頂きます事はまことに意義深く喜ばしく存じております。

 最後にご報告でございますが、先般東参道の石段の積み替え工事を無事完成させて頂きました。又、井上佳彦様より立派な石燈籠を東参道入口にご奉納賜り心より感謝申し上げます。本日は皆様ご多忙の中ご参列賜りまことに有難うございました。建勲神社の大神様のあらたかなご加護の下、益々ご健康にお過ごしの程お祈り申し上げます。有難うございました。

(以上)